« タイタニック | トップページ | ザ・フライ »

ダーク・エンジェル

――「2時間では語り尽くせない」、恋愛が苦手同士の男と女の物語

近未来のアメリカ、機密機関マンティコアで遺伝子操作によって改造された子供たちが、特殊訓練を受け、最強の兵士として育てられていた。ある日、12人の少年少女が脱走し、姿を消した。そして10年・・・

サイバーテロの影響で社会秩序は荒廃し、不正が蔓延する世界。
その中で明るく強く生き抜くヒロイン、マックスを演じたジェシカ・アルバのキュートな魅力。
笑った時、呆れた時、怒った時、泣いた時の表情が一つ一つ良い。彼女は実際に両親からいろいろな人種の血を受け継いでいるが、きっと物語の設定どおりに猫の遺伝子も受け継いでいるに違いない。

そして元教官で追っ手である宿敵ライデッガーとの攻防戦はなかなかのもの。遺伝子操作によって備わった動物的な超能力に加え、軍隊仕込みの格闘技、 戦闘技術を駆使して、相手をいかに倒し、裏をかいて逃げ切るか。

そして仲間たち。仕事仲間のオリジナル・シンディたちとの憩いのひと時。
またマンティコアから一緒に脱走し、散り散りになった兄弟たちが次々と登場し、ストーリーを盛り上げる。
特に兄貴分のザックは兵士として完璧なほどのクールさで、マックスと しばしば意見が対立するが、本当は義理堅 く頼りがいのある、いい奴。姉貴分のティンガも魅力ある女性。

そしてマックスの良き理解者であり、正義のジャーナリストであるローガンとの掛け合い漫才。
二人は表面的には言い合いばかりしているが、しかし回を追うごとにお互いを信頼し、好きになっていく。
でもすがすがしいけど、ちょっとじれったいねぇ。こんなにすれ違いばかりしていては、キャメロン監督が自分で言う通り、確かに「2時間では語り尽くせない」。

マックスは最初男性に対して異常な敵愾心を燃やしていた。
脱走生活が長く、心をゆだねる相手がいなかったこともある。彼女の猫遺伝子によるコンプレックスも原因だろう。
あるいは父親的存在であったライデッガーへの憎悪がそうさせたのかもしれない。
荒廃した社会、権力への抵抗とも取れるし、それに対抗する正義についても嫌悪感を抱いていた。
この世の男性的な存在をいったん全て否定し、その上で新しい生き方を彼女は見つけたのだろう。
だからこそローガンとの対話にこんなに時間が必要だったのだ。

『タイタニック』の降って沸いた白馬の王子様的恋愛話にはどうしても感情移入できなかったが、この恋愛プロセスは納得できる。もっともこの物語もふくめ、男性はいつも献身的存在だというのは相変わらずだが・・・

『ダークエンジェル』を煎じ詰めると、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』と同じ構図になっている。
『仮面ライダー』や梶原一騎の『タイガーマスク』も同じ構図だ。
つまり、主人公たちは組織に疑問を感じてそこから逃れるのだが、結局は追っ手と戦い続けていく宿命に立たされる。戦士としての自分の能力を恨みながら、 戦うことでしか生きていけない矛盾。
組織とは、マンティコアであり、ブラックゴーストであり、ショッカー、虎の穴のことである。

仲間の数から言うと『サイボーグ009』に近いけれど、彼らはたいてい一緒に行動する。
心情的には白土三平 の『カムイ外伝』に一番近い。マックスは、21世紀の”抜け忍”ということになる。
カワサキニンジャに乗っているし。

[蛇足]
数年前に地上波で放映していた時は、第1話からいきなり第6話に飛んでいた。
マックスとローガンとの微妙な間柄は、かなり縮まってきているし、いろんな伏線もずたずたで、話がつながらなかった。暴挙としか思えなかった。


制作総指揮:ジェームズ・キャメロン、チャールズ・H・エグリー
主演:ジェシカ・アルバ、マイケル・ウェザリー、ジョン・サヴェージ
(2000~2001・アメリカ・TVシリーズ)

|

« タイタニック | トップページ | ザ・フライ »

2)洋画」カテゴリの記事

b)SF・怪獣」カテゴリの記事

c)アクション」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70868/2933428

この記事へのトラックバック一覧です: ダーク・エンジェル:

» Jessica Alba [*シェリーのblogへようこそ*]
ちょっと画質悪いけど・・・すきな写真 アメリカのドラマ「ダーク・エンジェル」で彼女にハマリました。 物語の内容を簡単に書くと      改造人間が作ら... [続きを読む]

受信: 2005.02.27 15:02

« タイタニック | トップページ | ザ・フライ »