3)中国・アジア映画

無極(プロミス)

――だますなら最後までだまし続けること、それが大人のマナー? 神様とのご契約は計画的に。この映画は「真実の愛」を求めて止まない、恋愛に臆病な貴女へのメッセージ。

CG使いまくり、派手な色彩とオーバーアクション、真田さんの生中国語に脱帽するものの、突っ込みどころ満載の映画である。しかしその語ろうとするところは実に深遠である。
戦乱の世、生きる術を持たず、ただ一つの饅頭(マントウ)を必死に母に届けようとする幼い少女「傾城」。途中少年に取り上げられるが、奴隷になると言って騙し、饅頭を取り返して逃げる。そんな彼女に運命の女神「満神」は、「世の男性の寵愛と何不自由の無い生活をあげましょう。ただし真実の愛を得ることはできない。それでもいい?」と尋ねる。傾城は「それでもいい」と答え、「プロミス(契約)」は成立する。しかし「真実の愛」とは何か? 幼い傾城は「契約内容をよくご確認」したのだろうか?

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こころの湯

――北京の変わり行く下町の景観と、変わらないで欲しい下町の人情。

北京オフィス街のど真ん中、「コインシャワー」が登場? 服を脱いで個室に入ると自動的に水や石鹸が出てきて体を洗ってくれる! ミスターBOOのギャグ?なんて思っていると、場面は一転していきなり北京の銭湯が現れる。「どうだ、いいアイデアだろ?」これが銭湯での与太話だったのだ。いきなり技あり! つかみOK!
(あとでこのアイデアのヒントがさりげなく出てきて笑ってしまう。気がつきました?)

北京の銭湯の風景。アカスリやマッサージ、お茶を飲んだりしてのんびり寛ぐ客たち。日本と様子が少し違うけれど、懐かしい感じがする。コオロギを闘わせて熱くなり、意地の張り合いをする老人二人とか、シャワーを浴びながらオーソレミオを熱唱する若者、夫婦喧嘩ばかりしている旦那等、キャラが楽しい。

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少林サッカー

――オジサンだってまだまだやればできるじゃないか!

面白いですよ、と言われて見たが、確かに面白い!!
サッカーでもない、カンフーでもない、でも不思議と元気が出る。
昔のMr.Booさながらの香港のドタバタ・コメディーは健在である。懐かしい。

落ちぶれたファンと情熱のかたまりのシンとの出会いは、「あしたのジョー」の段平とジョーの出会いそのまま。
目が赤々と燃えるのは、もちろん「巨人の星」そのまま。
ボールを蹴る瞬間がストップモーションになり、ボールだって、燃えながら飛んでいく。「赤き血のイレブン」か。
スポ根マンガそのままが、オジサンを大いにくすぐる。
全くサッカーらしくない。キックオフでいきなり一発でゴーーーール!
必殺技のオンパレードに、少々やり過ぎじゃない?

チャウ・シンチーは、「刑事物語」の武田鉄矢みたいに癖のある情熱的なオジサン。
カンフーも独学だそうだが、そのテンションの高さを最後まで引っ張る。お見事!
今の日本では、こんなパワフルな映画はとても作れないのかも。

人生半分過ぎて、オレの人生ってこんなもんかな、ってあきらめているオジサンには、飛び切りの気合い注入剤である。会社で怒られ、客にも怒鳴られ、家でも邪魔者にされるイレブンたちも、突然その昔少林寺で学んだ力と技が蘇って来る! 「みんな帰ってきた!」 あのシーンと静まり返った瞬間がたまらなく好きだな。
オジサンだってまだまだやればできるじゃないか!

最近何となく芸術作品になってしまった中国カンフー映画への挑戦状とも思えるし、
最近何となく元気の無い香港に対する「カンフー」ル剤にもなっているんじゃないかな。

[蛇足]
「黄金の右」ファン、「鋼鉄の脚」シンとかいう通り名は、水滸伝の「九紋龍」史進とか以来の伝統なんだろうね。
日本だって、「緋牡丹」お竜って言うじゃない。

カンフーの達人の女の子が、両手を陰陽の形に回してマントウをこねるシーンは白眉。
この映画を見た人は、チャウ・シンチーの前前作「食神」も見るべし。
「カンフーハッスル」では、どうパワーアップするか、楽しみ。でもこの楽しみ、少し取っておこう。

監督・脚本:チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー、ン・マンタ、ヴィッキー・チャオ
(2001年・香港)

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