――オジサンだってまだまだやればできるじゃないか!
面白いですよ、と言われて見たが、確かに面白い!!
サッカーでもない、カンフーでもない、でも不思議と元気が出る。
昔のMr.Booさながらの香港のドタバタ・コメディーは健在である。懐かしい。
落ちぶれたファンと情熱のかたまりのシンとの出会いは、「あしたのジョー」の段平とジョーの出会いそのまま。
目が赤々と燃えるのは、もちろん「巨人の星」そのまま。
ボールを蹴る瞬間がストップモーションになり、ボールだって、燃えながら飛んでいく。「赤き血のイレブン」か。
スポ根マンガそのままが、オジサンを大いにくすぐる。
全くサッカーらしくない。キックオフでいきなり一発でゴーーーール!
必殺技のオンパレードに、少々やり過ぎじゃない?
チャウ・シンチーは、「刑事物語」の武田鉄矢みたいに癖のある情熱的なオジサン。
カンフーも独学だそうだが、そのテンションの高さを最後まで引っ張る。お見事!
今の日本では、こんなパワフルな映画はとても作れないのかも。
人生半分過ぎて、オレの人生ってこんなもんかな、ってあきらめているオジサンには、飛び切りの気合い注入剤である。会社で怒られ、客にも怒鳴られ、家でも邪魔者にされるイレブンたちも、突然その昔少林寺で学んだ力と技が蘇って来る! 「みんな帰ってきた!」 あのシーンと静まり返った瞬間がたまらなく好きだな。
オジサンだってまだまだやればできるじゃないか!
最近何となく芸術作品になってしまった中国カンフー映画への挑戦状とも思えるし、
最近何となく元気の無い香港に対する「カンフー」ル剤にもなっているんじゃないかな。
[蛇足]
「黄金の右」ファン、「鋼鉄の脚」シンとかいう通り名は、水滸伝の「九紋龍」史進とか以来の伝統なんだろうね。
日本だって、「緋牡丹」お竜って言うじゃない。
カンフーの達人の女の子が、両手を陰陽の形に回してマントウをこねるシーンは白眉。
この映画を見た人は、チャウ・シンチーの前前作「食神」も見るべし。
「カンフーハッスル」では、どうパワーアップするか、楽しみ。でもこの楽しみ、少し取っておこう。
監督・脚本:チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー、ン・マンタ、ヴィッキー・チャオ
(2001年・香港)
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